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少子高齢化社会で訪問看護師が担う役割ってどんなこと?

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看護師資格を活かして働ける場は、病院だけに限りません。訪問看護師は、その名の通り利用者のお宅を直接訪問し、病気や障がい、またはご高齢の方などが、住み慣れた場所で自立した療養生活を送ることができるよう、機能回復のサポートをする役割を担っています。

これからの日本は、ますます少子高齢化が進んで在宅医療の需要が高まり、その役割やニーズが増えると予想されています。今回は、訪問看護師の具体的なお仕事内容や、病院勤務の看護師との違いなどをご紹介します。

訪問看護師は訪問看護ステーションに所属

病院勤務の看護師が病院に所属するように、訪問看護師は地域の「訪問看護ステーション」に所属します。訪問看護ステーションとは、療養生活を送る方のお宅へ医療サービスを提供するための拠点で、看護師、保健師、理学療法士、ケアマネージャーなどの専門資格を持つ医療従事者が勤務しています。主治医が訪問医療の必要性を認めた場合に、利用者の自宅へ看護師などが出向き、医師による指示書に基づいて医療処置を行います。

訪問看護ステーションを設置・運営するのは営利法人、医療法人、社会福祉法人、地方自治体、医師会などです。令和5年度(2023年)の調査では、全国で稼働している訪問看護ステーションの数は15,697件にのぼり、年々増加しています。

参考:全国訪問看護事業協会「令和5年度 訪問看護ステーション数 調査結果

訪問看護師の主な仕事内容とは

では、訪問看護師が求められる仕事には、どのようなものがあるのでしょうか。

●健康管理

・利用者の健康状態をチェックする
・体温、血圧や脈拍、呼吸などを一通り調べて記録する
・持病のある場合は、病状観察を行う

●看護、リハビリ指導など

・嚥下訓練
・歩行訓練
・去痰
・口腔ケア
・入浴援助
・外出訓練
・食事や排泄の援助
・清潔な部屋の維持
・褥創防止
・服薬や栄養摂取の指導
・利用者と家族のメンタルサポート

●医療処置

・カテーテルの交換
・インシュリンの注射
・点滴
・血糖値の測定
・療養生活のアドバイス
・痛みのコントロールや緩和などの処置 など

これらはあくまでも一例ですが、訪問看護は看護師ひとりだけで出向くことが多いため、病院勤務に比べると業務範囲が広くなっています。

在宅での看護を実現するための重要なサポーター

上記の仕事内容を読んで、訪問看護師は適切な看護を提供するだけでなく、「援助」という領域の業務も多く含まれることにお気づきの方も多いことでしょう。

厚生労働省の調査によれば、利用者が訪問看護に求めるのは「(緊急時は)24時間対応してくれる」「相談にのってくれる」「予防のための指導や助言をしてくれる」「いつも決まった看護師が対応してくれる」という回答が多く、それだけ援助の分野に高いニーズがあることがうかがえます。訪問看護師は、利用者の心身機能の維持回復や、利用者とその家族のメンタル部分のケアの重要な担い手であり、在宅医療においては欠かせない存在なのです。

ただし、現状は深刻な人材不足が続いています。全国の総看護職員数140万強のうち、訪問看護師の数は約3万3,000人。現在、1ヶ月の訪問看護利用者は約42万人ですから、訪問看護師ひとりで、約13人の患者を支える計算になります。高齢化社会が進む中で在宅医療が必要な人は増える一方ですから、さらなる訪問看護師の人財育成や確保、事業の拡大が急務であると言えるでしょう。

参考:厚生労働省「訪問看護(参考資料)

病院勤務とは異なる、プラスαの経験ができる

基本的に、訪問看護師はひとりで利用者宅を訪問して利用者のケアを行います。分業が徹底した病院とは異なり、なんでも自分ひとりでやり遂げる大変さはありますが、同時に、訪問看護だからこそ得られるプラスαの豊かな経験は、この仕事の醍醐味と言えるでしょう。

長期にわたって、利用者一人ひとりと付き合いながら信頼関係を築きたい、本人の望む生活に寄り添った丁寧なケアをしたい、また、利用者をより身近に感じ、お互いに心を開いた状態で手厚い看護をしたいなどと考える方には、大いにやりがいを得られるお仕事なのではないでしょうか。

関連記事:「訪問看護師がやりがいを感じるのはどんなとき?

訪問看護師になるために必要な資格やスキルは?

看護師の国家資格を取得していることが、大前提となります。経験については、実務経験3年以上の病棟勤務経験があると望ましいでしょう。現在、訪問看護ステーションで働く看護師の半数以上が40代ということからも、ある程度の経験が必要な職種だとわかりますが、民間企業が運営する訪問看護ステーションでは、病棟未経験の新卒を積極的に採用しているケースもあります。

まずは先輩について仕事を学んでから、単独業務へとステップアップしていくことが可能です。チャンスをうまくつかんで、訪問看護師としての経験を積んでいけば、将来どこにでも通用する人財に成長することができるでしょう。

関連記事:「夜勤なし・土日休み!訪問看護師になるにはどんな資格や勉強が必要?

■訪問看護師が強化すべきスキルとは

・基礎看護技術

利用者の自宅にひとりで出向き対応するので、段取りよく医療措置を施す技術が必須となります。決められた時間内に処置を終了できるよう、タイムマネジメントや臨機応変な対応力を磨いてきましょう。

・コミュニケーション能力

利用者とその家族から、症状や希望を聞き出す傾聴力や、ささいな異変に気づける洞察力、ケアマネージャーなどの関係者や病院と連携を取るための調整力など、訪問看護の仕事にはコミュニケーション能力が欠かせません。

・ケアマネージメント能力

訪問看護では、主治医からの訪問看護指示書が交付されたあとに、訪問看護計画を立てることが義務付けられています。そのときに大切なのは、病気だけを診るのではなく、どうすれば利用者や家族が望む生活を支えられるか、という視点。利用者の状況を把握し、必要なツールや社会的な資源を駆使して利用者をサポートする「ケアマネージメント能力」も、意識して磨いていく必要があります。

■資格認定制度(日本看護協会)の資格を取得してスキルアップ!

熟練した看護技術と知識を用いて、高い水準の看護を実践できると証明する「認定看護師制度」。この、21分野※のうちのひとつが訪問看護です。

看護師として通算5年以上、訪問看護師として通算3年以上の実務経験を持ち、認定看護師教育課程を修了すれば訪問看護の認定看護師資格を取得できます。今後の目標のひとつとして、考えてみてはいかがでしょうか。
※21分野は2026年度をもって教育終了

訪問看護師になることは地域や社会への貢献につながります

住み慣れた家で医療的ケアが受けられることは、利用者にとってQOL(生活の質)を高めることにもつながります。今後ますます少子高齢化が進む日本において、訪問看護が担う役割は大きく、よりよい医療サービスを提供すること自体がひとつの社会貢献につながっていくのはないでしょうか。

これからニーズがどんどん高まることが予想されている在宅での訪問看護を、あなたが活躍するフィールドとして考えてみませんか?キャリアを重ねて認定看護師資格を取得し、訪問看護の第一線で活躍することも、実務スキルに加えてマネージメント能力を磨いてステーションの管理者になるなど、さまざまなキャリアプランが描けるお仕事です。パソナメディカルでは、ご自身のキャリアや希望に応じた多くの訪問看護師のお仕事をご紹介可能です。ぜひ一度、ご相談ください。

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