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保健師になるために看護師・保健師養成専門学校に通うメリットやデメリットとは?

キャリアナース保健師専門学校看護師

保健師になるための学校選びには、大学(院)と、専門学校という選択肢があります。これまで修めた学歴や、看護師資格を持っているかなどの条件によって、選ぶ学校は変わってくるかもしれません。

そこで今回は、「すでに看護師資格を持っている方」「看護師資格を持っていない学生」「看護師資格を持っていない社会人」それぞれに向けて、保健師になるために専門学校に通う場合のメリットやデメリットについてご紹介。

ちなみに今回、看護師資格を持っていない方に関しては、大学や短大に通うのではなく、看護師・保健師養成専門学校に通うパターンを中心に考えていきます。

また、大学や短大に通う場合のメリット・デメリットについては以下記事で紹介しているので、本記事と併せてご確認ください。

別記事:保健師になるために大学に通うメリットやデメリットとは?

■「看護師資格を持っている方」が保健師養成専門学校に通う場合

すでに看護師の資格を持っている方や、看護師の専門学校や大学を卒業見込みの人が保健師になる場合、専門学校に最短1年通うことで、保健師国家試験の受験資格が得られます。

ちなみに、とある専門学校(昼間部)の資料によると、年間の学費が約200万円、それ以外に実習費が7〜8万円、教材費等が8〜10万円となっていました。

・「看護師資格を持っている方」が保健師養成専門学校に通うメリット・デメリット

メリット
・もっとも短期間、効率良い学びで保健師になれる
・経済的負担が抑えられる
・学校により社会人対象の「専門実践教育訓練給付金(年間最大約56万円)」や「専門実践教育訓練給付金(年間最大40万円)」などが受けられる

デメリット
・専門学校卒の看護師は学士(看護学)を取得できない
・大学や大学院にくらべ、学術的な内容よりも、実践的な内容が中心になる

もし、あなたが看護師資格を持っている、または看護師養成学校や大学を卒業見込みであれば、保健師養成学校へ1年通うと、時間もかからず、経済的にも1年だけの負担となり効率が良いといえます。条件によっては、社会人対象の給付金制度が受けられるので、より費用負担の軽減が期待できます。

■「看護師資格を持っていない学生(高校生・専門学校生・大学生など)」が看護師・保健師養成専門学校に通う場合

ここでいう学生とは、高校卒業や、ほかの専門学校や大学を卒業している学生のこと。そういった学生が保健師になるために専門学校に通う場合、保健師のみの資格は取得できないので、看護師の資格も同時に取得する必要があります。

その取得ルート
1.保健師養成専門学校(4年制)に通って看護師+保健師資格を取得する
2.看護師養成専門学校(3年制)→看護師資格取得→保健師養成学校(1年制)→保健師資格取得

※大学に通うルートもありますが、これはあくまで、保健師養成専門学校を介してのルートとなります。

・保健師養成専門学校(4年制)に通って看護師+保健師資格を取得する

この4年制の専門学校は、正式には「保健師・看護師統合カリキュラム校」といいます。卒業と同時に、看護師と保健師の国家試験受験資格が得られます。ただし、この4年制の学校は全国に数少なく、調べた範囲では、全国に3校のみでうち1校は、専門職大学への認可申請を出しています。

とある学校では、年間学費は約158万円。これに毎年、学外実習費が4万5千円〜6万円、教材費が9万〜10万円。かかる費用も4年分になるため、相応の負担となります。

メリット
・全員が看護師・保健師の資格を同時に得られる
・大卒同等の「高度専門士」の称号が得られる
・卒業後、看護系大学院も進学できる

デメリット
・大卒の学士が得られない
・高度専門士の学位の認知度が低い

4年制の専門学校の一番のメリットは、入学者全員が看護師と保健師の資格を得られること。看護系大学だと、保健師を専攻するために選抜制となり、全員が履修することはできません。ですので、この4年間で看護師と保健師の資格を確実に取りたいという方に向いています。

・看護専門学校(3年)→保健師専門学校(1年)で資格を取得する

このルートは、看護師と保健師の資格を取得するために、まず看護師の資格を取り、それから保健師の資格をとることになります。

看護師になるために大学や短大でなく、看護専門学校を選んだ方にとっては、最も選択の多いルートとなるでしょう。

看護専門学校の学費は、それぞれの学校によりますが、年間授業料は約60万、実習費約5万円、教科書代その他が約10万円というのが平均のようです。

そして卒業後は、一旦看護師として臨床経験を積み保健師専門学校へ入学をしても良いですし、看護学校卒後にすぐ保健師専門学校へ入学する道もあります。

メリット
・看護専門学校は比較的入学しやすく、まずは看護師の資格が取得できる
・看護師としての臨床経験を保健師専門学校で活かせる
・保健師専門学校の学費を、看護師として働くことでカバーできる

デメリット
・大卒の学士が取得できない
・看護専門学校と保健師専門学校のトータルの学費で考えると費用がかかることもある

このルートで保健師資格をとるメリットは、まず資格が取りやすいということ。看護専門学校も多いため、それほど入学のハードルも高くありません。

看護師免許取得後は看護師として働き、保健師学校学費を貯めることもできますし、看護師の臨床経験も得られるため、実務自体が、保健師の勉強に役立つというメリットも大きいです。

■「看護師資格を持っていない社会人」が看護師・保健師養成専門学校に通う場合

すでに社会人になっている人が、保健師になりたいと思うこともありますよね。この場合も、保健師資格だけでなく、看護師資格をとる必要があり、以下のようなルートが想定できます。

1.看護師専門学校(3年)→看護師資格取得→保健師専門学校(1年)→保健師資格取得
2.看護師専門学校(4年)→看護師・保健師資格取得

1と2の方法は、看護師資格を持っていない学生が看護師・保健師養成専門学校を経て看護師・保健師資格を取得する方法と同様です。

仕事をやめずに通学できる全日制(3年)の学校はなく、夜間部はあっても、それはすでに准看護師の資格を持った人向けとなります。実習が必須となるのも、夜間部がない理由と言えるかもしれません。

メリットやデメリットも、看護師資格を持っていない学生が看護師・保健師養成専門学校に進む場合と同じになります。

ただし、保健師を目指す社会人の中には、すでにほかの大学を卒業して学士を持っている方もいますので、学士取得にこだわらなければ、もっとも学費が抑えられます。大学進学と比較しても、保健師資格が取りやすいルートといえるでしょう。

■おわりに

今回の内容をまとめると、以下のようになります。

・看護師資格があれば、保健師養成専門学校(1年制)に通う
・看護師資格がなければ、看護師養成専門学校(3年制)に通ったあと、保健師養成専門学校で学ぶ必要がある
・看護師資格がなければ、「保健師・看護師統合カリキュラム校」である専門学校(4年制)で学ぶことができるが学校数は少ない
・専門学校卒業だと学士(看護学)の称号が得られない。学校のなかには専門士の称号が付与される
・大学や短大を経て保健師資格を取得するより、学費は抑えられる
・専門学校では、現場での実践力を養う教育が主になる

保健師になる方法を探しているのであれば、それぞれのメリット、デメリットを踏まえながら、自分に合った学校選びをしていきましょう。

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